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ANOTHER TIME~情熱の果実~

ANOTHER TIME~情熱の果実~




花満開と黄門ちゃまで、パチンコを年齢や性別を問わないところまで
開放したパチンコは、その呼び方も
アミューズメントなどと言う人が多くなってきた。
従来のセグだけの数字の演出とは違い、キャラや液晶を使った
多大なアクション。アツサの事なるリーチ。
大当たり中のラウンド中の画面・・・
そして、確変フルスペックの持つ爆発力。
これに魅了されパチンコに嵌っていった人は数多くいる事だろう。



俺も、そんなフルスペック確変の台はよく打った。
花満開や黄門ちゃまは当然だが、フィーバーワールド、冒険島
大工の源さん、フィーバービーチ・・・
挙げればキリがないほどだ。

しかし、そんな中わすれられない機種と出会う事になる・・・
それは、当時の新機種なのだが、これらの台とは
一線を画した機種・・・

液晶もなく、確変は2分の1で以後1回継続。
しかも、確変で当たれば2400個の出玉と次回までの
確率変動は約束されるが、通常当たりだと出玉は150個ほどで
当然、確率の変動はなし・・・
どこか時代を逆行している、その新台・・・


その機種は・・・


フルーツパッション(大一)
CRバトルフィーバーで一躍パチンカーを虜にしたメーカーが
この度出した新機種は、今の時代を無視した予想外の台だった。
スタートチャッカーが真ん中にないその台。
液晶などなく、7セグの数字が3つ並んでいるだけのその台。

アタッカーは中央下ではなく、右下・・・回転体の下・・・
そう・・・この台は権利モノなのだ。
大当たりは単純明快。3つの数字が同一になればそれでいい。
すべて赤の数字なら、次回までの確変で出玉は2400個。
真ん中の数字が緑なら小当たりで、出玉は150個ほど。
当然、確変ではない。
数字を回転させるには左横にあるスルーチャッカーに玉を
通し、開いた羽根に玉を入れる・・・
謂わばダイナマイトと同じ仕様である。
赤で当たり確変が続けば天国だが、当たっても緑に偏れば地獄・・・
これぞギャンブル台である。



しかし、俺はこの台の7セグのアツサに魅了されていた。
リーチ演出もシンプルで、真ん中の数字が普通に動くノーマルリーチ
何度か高速で動く高速リーチ。
コマ送りになる、コマ送りリーチ。
そして・・・一番俺をアツクさせたのは
3つの数字が回転中に、予告なしに赤数字3つがいきなり
ビタ!と止まる確変確定の演出。
これが見たいがために打っていたと言っても過言ではない・・・


そして、今夜も・・・































季節は、気づいた頃には次へと移行する。
ついこの前まで、あんなにたくさん見えた大きくて白い雲も
太陽の眩しさで空を見れなかったあの日々も
夕暮れの風にかすかな冷たさを感じた頃には
こうして、季節は移り変わり・・・
時は流れていく。

繰り返す季節の中で、わずかながらも去年とは違う街並みや
木々の紅葉を見つける度、この繰り返す時の流れは先へと進んでいる
事を理解する事ができた。

ただ、その変化が進化なのか衰退なのかは今の俺には
まだわからない・・・







俺の住んでいる地域には、歩いて10分以内の範囲に
パチ屋が5件もある。
京王線沿線で、住宅街のこの街に何故こんなにパチ屋が
あるのか・・・
昔からここにいたわけではない俺には、知る由もない事だ。
まぁ、今の生活には便利な場所であるのは確かな事なのだが。


歩いて1分の、この地域で一番の老舗で、パチンコを覚え
あとになり名機とされた数々の機種
フィーバークィーン、フィーバーパワフル、エキサイトジャック
綱取物語、ダイナマイト・・・
などを打ち、その後、この店の姉妹店のオープンに合わせ
その店をホームに変え、そこで羽根モノのモンキー倶楽部、
ヘブンブリッジ、百姓一揆、ファインプレー、そして京楽の
タヌ吉くん、玉ちゃんファイト、ボンバーキャットを打った・・・
そのうち、デジパチや権利物、電役、一発台と
様々な機種を打つようになった。

そんな中、今日はCRフルスペック、確変3分の1、2回継続機も
過渡期にはいり、様々な確変の機種が出始めた頃の話だ・・・


「新台入替!明日6時オープン!」
老舗の姉妹店のこの店は、オープン時から本店にはない開放状態
を続けてきた。
何より羽根モノを開けてくれた事が俺にとっては一番嬉しい事
である。

「何はいるんだろ?またCRだろうけど・・・」

マルボロを吸いながら缶コーヒーを片手に、閉ざされた店の
入り口で俺は師匠と立っていた。

「ま、なんの機種であろうと初日は打たないとな・・・
 6時開店なら、それまで駅前の店で羽根でも打ってるか・・・
 お兄ちゃんどうする?俺は明日も10時から打つけど」

いつでも余裕の師匠だが、新装だけはしっかりおさえる。
出ても出なくても、行ける新装はすべて行くのだ。

わざわざ開店プロしなくたって食っていけるだろうに・・・
この頃はまだ、すべてのチャンスを奪い取るほどの貪欲さは
俺にはなかった。
そして、このあたりが将来を左右する要ともなっていくのだったが
今は、そこまでにはまだまだ時間があるようだ・・・

その日は、師匠とはそこで別れた。
師匠への返事は・・・

「行けたら行くよ」

だった・・・
コンビニで、弁当とお茶、缶コーヒーにタバコ。
そして、パチンコ雑誌を2冊買った。

明日導入される新台は、その雑誌の両方に載っていた。
しかし、その事に気づくのは、
その台を打ったあとの事だったのだ・・・


次の日、やっぱり朝は起きれなかった・・・
ま、朝方までゲームに熱中していたせいもあるが、どことなく
新装の前に他の店に行く気持ちがなかったのが事実だろう。
昼過ぎに、駅前の店で師匠の様子でも見てくるか・・・
そう思いライターとマルボロを片手に部屋を出た。
外は今日も晴れだ。
しかし、先週までとは違いこうして空を見上げる事ができる。
太陽の眩しさは遠くに行ってしまったようだ。
あの狂った季節も、また1年暑さも眩しさもすっかりわすれきる
頃にやってくるのだろう。
その時俺は、眩しい太陽を見上げる事ができるだろうか・・・
熱風の中を歩いていく事ができるだろうか・・・
ふとそんな事を思い、少し冷たい風の中をマルボロに火をつけ
駅前のパチ屋へ向かった・・・




オープン当時は、連日客でいっぱいだったこの店も
今や平日ともなると、ほとんどの客は近くのお年寄りだ。
台は選び放題・・・いや・・・どの台に座っても結果は
たいして変わりない事など、ここに来る誰もが承知の事なのだ。

2階の奥のシマ。
そこが、この店の羽根モノのシマだ。
メーカー直営店にありがちな、台数だけが多い仕様は
ここも同じだった。
そんなファインプレーのシマの角台に、師匠はいた。
足元にはドル箱が2つ。
このボッタ店で、なんで2箱も出せるんだろ・・・
シマにふたりしかいないところで、箱を積んでる絵は
凄いと言うより、どこか笑える絵になっていた。


「お疲れ様」

師匠の隣に座り缶コーヒーを差し出す。
師匠は前を向いたまま

「おっ!お疲れ。やっぱこの店の釘だめだね・・・」

いや・・・2箱も出てれば十分だと思うのですが・・・

「たまたま15Rが連チャンしたからよかったけどさ・・・
 あ、あとこの台は横からでもV入賞するからね。直してないんだよ
 ずっと・・・」

へぇー、こんなボッタ店の台のクセまで知ってるんだ・・・
さすがだな・・・
その時、俺はそのくらいしか思わなかったが、この違いの大きさを
理解するのも、ずいぶんあとになってからの事だった・・・

「でさ、師匠は今日はいる新台知ってんの?」

「いや・・・知らないよ。ま、またフルスペックの確変モノ
 だろ・・・。一応打つけどね。」

それから、師匠の隣で少し打つものの、鳴きも寄りも悪い台で
あとは店内をウロウロするうちに姉妹店の開店30分前となった。

「さて、そろそろ行こうか」

時間に合わせ、きっちりヤメれる師匠は、すでに玉を流して
レシートを片手に俺に声をかけてきた。

「行きますか!」







姉妹店のメインの入り口の前には、すでに20人ほどの人が
並んでいた。

「あれ・・・台取れないんじゃないの?」

不安そうに俺が言うと師匠は

「大丈夫だよ。みんなほとんどが黄門ちゃまやバトルフィーバー
 狙いだから。新装だから新台狙いって客ばっかじゃないんだよ。」

言われてみれば、そうかもしれない。
並んでいる客のほとんどは、近所の常連。
しかも、いつも黄門ちゃまなどの台を延々打っている連中だ。





開店10分前。
入り口が開放された。

師匠と俺はライターを握り締め、新台のシマへ
同じく数人がダッシュでシマへ向かった。
誰もこの店では見た事のない奴らばかりだ。

台を見る前にライターを投げ入れた。
角台だ。
師匠はその隣。

そして台を見た・・・
そこには、よく見る液晶はなかった・・・

「あれ?これCRじゃないんじゃないの?ヤバ・・・
 え?なに?どこに玉入れるの?」

すっかりフルスペックのCRだと思っていた俺は、一瞬目の前の台
がどんな仕様なのか、さっぱりわからず失敗したな・・・
と思った。

「あ、これ懐かしいなぁ・・・ダイナマイトと同じだよ。
 けど、7セグあるし・・・ここ揃えば大当たりとかだと思うよ。」

師匠は、どこか嬉しそうにそう言った。

「ダイナマイトね・・・なるほど・・・そう言えばなんとなく
 似てるかも。この数字が揃えばいいのか・・・」

似てるのは当たり前だった。ダイナマイトと同じメーカー大一の
機種だった。
デジタルをスタートさせるのが容易ではないので、大当たり確率
が辛くない事はすぐにわかった。


とにかく稼動開始だ。


さすがに開店初日、通常営業ならなかなかスタートさせられない
ような仕様のデジタルも、1kで10回以上も回る。
これは今日は稼げるかもしれない・・・

そんな事を思いながら打っていると、いきなり真ん中の数字が
高速で回転し始めた。
1回・・・
2回・・・
3回・・・
そして4回目に「444」で当たった。

しかし・・・

真ん中の数字は緑だった。

よくわからないまま、右打ちに変え大当たりを消化する事にした。

すると・・・
なんと1Rで終わってしまったのだ。

「え?ちょっと・・・なんだよ、これ!
 師匠今の見た?」

「あ・・・なるほど・・・これ大当たりと小当たりある
 みたいだね。赤で揃わないとダメなんだよ、きっと」

なんなんだそれ・・・
一気に萎えた・・・
その後、回りはいいのだが一向に当たらない・・・
パッキーカードがなくなるスピードも無駄なリーチアクション
がない分、他のCRに比べ格段に早い。
当たらない分、投資は加速度的に増えていった・・・

「おっ!」

師匠が思わず声を上げたそこには・・・
赤で「555」
見ていた限りにはリーチアクションはなく、ビタ止まりでの
当たりだった。
(ビタ止まりは、すべて赤のプレミアだった)

そこから師匠は、赤数字を引き続け気づけば12連チャン。
パッキーが消化されるのも早いが、一度連チャンすれば
ドル箱が増えていくのも、今まで見たどの機種よりも早い・・・

ようやく俺にも赤数字の当たりが来た。

しかし・・・3連目には真ん中が緑の小当たりで終わった。








時間は閉店10分前。
師匠の足元にはドル箱が16箱。
俺は・・・6箱・・・

換金所には客が並んでいた。
さすが優良店だけあって、今日は黄門ちゃまもバトルヒーローも
釘は開きだったみたいで、特殊景品を箱に入れている客が何人もいる。

師匠と別れた俺は、どこか煮えきれない思いで部屋へ戻った。
この前買ったパチンコ雑誌を手にコンビニ弁当を食べた。

そこには、今日打った機種が載っていた。

フルーツパッション・・・
何故この前は気づかなかったのだろう・・・
弁当を食べるのもわすれ、一心不乱に読み始めた。

まさか、この日からこの機種がメインになるとは
その時の俺にはまだ想像さえできなかった・・・






ANOTHER TIME~情熱の果実~  Fin





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2007/05/27 | 01:10
ANOTHER TIMEコメント:0トラックバック:0

ANOTHER TIME~蒼い衝撃

ANOTHER TIME~蒼い衝撃~



この店がリニューアルオープンしてから2週間が過ぎた。

オープン当初の3日間の状況は、瞬時に伝わってきてはいた。

「海は出てたけど、スロットは今いちだったなぁ・・・」

「結構出てたよ!あれは全台⑤、⑥だね。」

「やっぱり、あの店ダメだよ。全然出てない・・・」

だけど結局は、本当の事などわからなかった。
勝った人と、負けた人の判断でその状況は
正反対に変わるものだった。






近県にいくつかのチェーン店を持つこの店は
この地域に出店してから、5年は経っているだろう。
チェーン店にありがちな営業方針なのか、開放状態の店も
あれば年中、回収状態の店もあるようだ。

俺の知る限りでは、この店は万年回収状態。
パチンコもパチスロも、新台入替の時でさえ
高設定など見た事はない。
どうせ釘も設定も、据え置きなのだろう・・・
客もその辺はわかっているらしく、何時に行こうが
シマを埋める人数と顔ぶれは、特に変化はない。


そんな店が営業を続けられるのか?


だけど、営業は続いていた・・・
その理由はチェーン店ならではの事だけでは、なかったのだった。






現在でこそ、この地域のパチ屋には
設置されているところはないが
この頃はどの店にも、パチスロのシマには
裏モノのシマがあった。
この事実は全国的にも有名で、パチスロ好きな奴らは
わざわざ、他県からでも打ちに来るほどだった。
雑誌にも何度も載った事があり
この地域と言えばメインは、裏モノだった。




勿論、この店にも2シマ、合計50台ほどの裏モノが
堂々と設置されていた。
シマの入り口には「爆裂コーナー」と看板が出てるほどだ。


そんな裏モノのシマはと言うと・・・


ここだけは、連日他のシマとは違っていた。
朝から常連が、黙々とサンドに千円札を投入している。
全台、毎日6000Gは回ってる状態が続いていた。




この地域のパチ屋は、5年ほど前まではどこも
こんな状態だったのだ。


それが、ある日一斉に裏モノが消えていった・・・


今までは提携されてた、パチ屋と上の組織・・・
それが一方的な上からの一存で一切撤去。
従うしかないのが、パチ屋の現状だったのだろう・・・


裏モノが消えたパチ屋は、困惑の中の営業となっていたのは
その後の店の状態を見てもハッキリとわかった。
ノーマルな台に設定がはいってない事は、誰もが知っていた。
結果客達は、ひと時パチ屋に行く事を
日々の日程から完全に消していた。
時間をもてあます事となった客はどこへ行ったのだろう・・・







地元密着型で老舗の多い、この地域では
この状況を乗り切らなければいけなかった。

そこで、まずは設定公表とモーニングを復活させた。

客は戻った。
しかし、長続きなしなかった。

それもそのハズ。
すべての店が、そんな事を長続きできるハズはない。
ましてやこの時期、ガセは一旦離れた客を戻すためには
決してしてはいけない事だったのだから。
当然、客は朝一モーニングだけを狙い打つ。
設定のいい台でしか打たない。
これで、利益が出るはずもない。



そして、短い夏祭りのごとく
鉄火場のシマがどの店でも見られた時期は、すぐに終わっていった。




裏モノ撤去から、状況が何度も転んだ店が次に
考えた事は、仕切りなおしだった。
次々と、パチ屋はリニューアルオープンをしていった。
そして、ここまで来ると到底資金面でついてこれない店も
いくつかでてきていた。
それらの店は、当然店を閉めるしかなかったのだ・・・




地元の老舗店がリニューアルをしていった中
ようやく、この店もリニューアルを告知した。

そして、改装から1ヶ月・・・
外観も店内も、そして店員もすべてが変わる
リニューアルを遂げたのだった。

リニューアルして一番の変化は、店を2つに分けて
片方をスロット専門店にした事だった。
客のターゲットも若年層に合わせた感じだった。


設定機種は、人気機種を大量に導入していた。
北斗の拳、南国物語、吉宗・・・
そんな中にジャグラーTMがあった。
設置台数は40台ほどだった。






俺がこの店にリニューアル後、はじめて行ったのは
オープンから2週間ほど過ぎたあたり。
朝からなら、台は十分に選べるような状態になってからだった。
この地域の状況がわかってきていた俺は、今さらパチスロを
本気で打とうとは思っていなかった。
これは、今でもそうなのだが、やはりこの地域は
常勝する事は難しい場所なのだ。
まして、リニューアル前のこの店の状態から高設定を
期待する気持ちなど皆無だった。


ま、店がどんな様子でどんな台を置いてあるかだけ
見てみるか・・・
そんな軽い気持ちで、店にはいった。
右手には火のついたマルボロ、左手には缶コーヒーを持って・・・







リニューアル前から変わらない自動ドアが開くと
そこには、以前とは違う光景が目にはいった。
シマは規則正しく並んでいて、その間の通路は3人が横に並んでも
通れそうなくらいの広さだった。
台と椅子の高さは、少し低い感じだったが長時間打っても
疲れない仕様になっていた。




入り口から一番近いシマ・・・
それはジャグラーTMだった。
全台40台ほどのそのシマは、半分ほどの客が打っていた。
午前中のこの時間なら、多いほうだ。
とりあえず、シマを歩きながら前日までのデータを見てみる。
BB回数が、30を超えている台が8割はあり
40を超えている台も5台ほどあった。


もしかして・・・


打つ気はなかったのだが、このデータを見た限りでは
打ってみる価値はある・・・
そう思った俺は、他のシマを見る事もなく両替機へと
足早に向かった。
前日のBB回数が32回のシマの真ん中あたりの台に座り
千円札をサンドに入れた。
50枚のメダルはそのまま下皿に流れる仕組みだった。
現在、120Gで放置されているこの台は
総G数985GでBB6のRB3だ。




ひさびさのスロットだった。
前に打ったのがいつだったのかは、記憶を辿るには時間が
かかりそうだったが、液晶画面のパチスロ機種はまだ
1、2機種しか出てなかった頃だったと思う。


目の前のジャグラーも、俺の中で一番強い記憶となる
数々のジャグラーとは違っていた。
どこか洗礼されたフォルム・・・
GOGOランプの形は、俺が知ってるジャグラーより
少し小さいみたいだった。
そんな事を思い、メダルを投入し、少しぎこちなく
レバーを叩き、ボタンを押していく・・・


何度かそれを繰り返すうちに、自然に打つスピードは
早くなっていった。


そう言えば・・・音もなんとなく違う気がするなぁ・・・


そんな事を思いながら打っていると、
左隣の台と斜め後ろの台が光った・・・

そこで、はじめて気づいた。
このジャグラーのGOGOランプの輝きは青なのだ・・・

隣からは今も昔も変わらぬメロディーが流れてきた。
しかし、やはりどこかが違うようだ。

隣の台のBBが終わった頃、俺の台に変化が起きた。

すっかり感覚を取り戻した俺は、3千円目のメダルを
淡々と打っていた。
左手に何枚かのメダルを持ち、右手でメダルを取り投入口へと。
そのまま右手でBETボタンとレバーをほぼ同時に叩く・・・
これが昔からの俺のスタイルだった。
その繰り返しを、間のあくことのなく一定のリズムで
刻んでいく・・・

光る事を祈りながら・・・

とにかく光る事だけを考えていた俺には、次に起こった
事は衝撃だった・・・



リズムの中で、レバーを叩く・・・
すると、いつものジャグラーならではのスタート音が
聴こえなかったのだ。


一瞬、店の音に吸い込まれたか、聞き逃したのかと
思ったのだが、すぐにそうではない気がした。
そして、何故か「もしかして・・・」
そんな思いで、リズムを乱しゆっくり第3ボタンから指を離した・・・



GOGOランプが鮮やかな青い輝きで光った。

無音だった。



無音がBB確定と言う事さえ知らなかった俺は
BARが揃った時は、ジャグラー初心者のように嬉しくなった。



その後、コンスタントに当たっていき3時間後には
約3000枚のメダルを交換した。
この地域、この店でこの出玉は初だった。

メダルを交換するため、ドル箱を手に通路を歩く時
角から3番目の台が5000枚を超えている事に
気づいた。







この店、本当に変わったのか・・・?






1ゲームにメダルが3枚必要な事さえ知らなかったあの頃
最初に打った機種は、初代ジャグラーだった。
暗い店内で、その台のGOGOランプは
淡く輝いた。




あれから約10年・・・





一度はパチンコ、パチスロに未練を残す事なく
打たなくなっていた俺が、今日青い輝きに何かを感じていた。

10年の時間の中には、様々な事が重なり崩れ、流れていた。
そして街も人も変化していった。

だけど、こいつは今もあの頃のままだった。
多少のデザインの変化はあっても
仕様は時の長さ感じさせなかった。







戻れるのか・・・あの頃に・・・









過去への追憶は、決して進化ではない。
しかし、置き去りにしたままのものを
もう一度手にできるのかもしれない・・・

あの青い輝きは、理由を探す時間さえ見失うほどに
誘うようだった。







そうだ・・・
理由なんて、あとから考えればいいんだ・・・
今、何がしたいか・・・
それだけで十分なんだよ、昔も今も・・・







この日、閉ざされた扉は
ゆっくりと開かれていったのだった。







ANOTHER TIME~蒼い衝撃~   Fin




2007/05/25 | 07:30
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ANOTHER TIME~ファースト・コンタクト~

ANOTHER TIME~ファースト・コンタクト~



環7沿いのマンションの駐車場。
ここでの仕事が終わり、次の現場に向かうため
同僚と片付け中だ。
俺の仕事はバイトだけど、某大手のハウスクリーニング
会社のフランチャイルズ店でチーフをしている。
現場は一般家庭から企業、ビルまで様々だが結構、金にも
なるし、バンドや役者など自分のめざす物が
あるやつらが多数集まっている。

8時30分から定時が5時。
夜は自由になれるので、バンドの練習やライブの時間に
影響はないのも、このバイトを選んだ理由でもある。





片付けながら同僚と話してると、ふいにプライベートでも
友達の4つ下のアニキが、

「そう言えば、パチンコってしないんですか?
 最近のパチやスロはアツイんですよ!」

と。
最近、よくこいつらがパチンコやスロットの話を
してるところを運転中に聞いたりはしてたけど、
自分の意思で過去に一度もパチンコをした事のない俺は
何が楽しいのかまるで理解できなかった。
勿論、確率や出玉がどれだけで、あのリーチがアツイとか
朝一がどうのこうのとか・・・
そんな事は違う世界の住人の話のようだった。

「今度みんなで、行きませんか?
 あんなに近所にパチ屋あるのに行かない手はないですよ!」

まぁ・・・確かにうちの隣はパチ屋で、噂では評判がいい店らしく
少し遠距離からでも打ち来るみたいだ。

うちの近状は歩いて10分以内に5軒のパチ屋が存在する。
特急も止まらない、この京王線の駅にどうして
こんなにパチ屋ばかりあるのだろうと思っていた。




みんなで行くと言う事で断る理由もなく、一度くらいは
体験してみるのもいいかな・・・と、思い
1週間後に休みを合わせて行く事にした。




それまでの間にアニキや他の友達とも話す中で
わかった事は、最近のパチンコは朝一がおいしく
連チャンするものがあると言う事。
CRがまだ全盛期少し前だった頃でもあり、パチ屋の
主流はデジパチの連チャン機の時代。


俺のパチンコファーストコンタクトは、こうして
かろうじて、一番パチンコが楽しかった時代に間に合った。








当日、アニキたちの意見で開店と同時に
「綱取物語」をやる事に。
この台は天国、通常、地獄と3つのモードが存在する。
モードは毎回の当たりから、天国へは2分の1
通常へは3分の1、地獄へは6分の1に振り分けられる。
地獄モードは、確率が988分の1と、ホント地獄なのだ。
通常が247分の1でこの時代の台としてはノーマルな確率。
そして、朝一は必ず通常モードからスタートして当たると
2分の1で天国へ。
天国モードは37分の1で大当りをし、天国への
2分の1をひきつづける事こそが連チャンのカギとなる。

当時の出玉は1回の当たりが2300~2400個
1回の当たりで6000円程度にはなった頃。
(換金率2.5円)
朝一で運よく連チャンすれば、かなりおいしい。

みんな同じ台をやるし、迷う事はないだろうと
この綱取物語の話を聞いてるうちに、なんだかワクワクしてきた。





開店前には、30人くらいの常連が毎日並んでいる。
隣にある店なのに、ほとんど気にしてなかった俺は
こんなに人が待ってるなんて・・・
てか、何やってるんだこの人たち・・・
当時は今のように開店待ちがスロ狙いの若いやつらばかり
ではなく、ほとんどが中年、若くても大学生みたいな感じ
が多かった。
今でも変わらないのはそんな中に混じって営業マン
らしきスーツの連中が何人かいる事くらいだ。

開店と同時に人は店内になだれこみ
ほとんどの人が自分の目指す台へと一直線に向かう。

今思えば、機種ごとの常連と言うのが存在していたのだろう。



フィーバークィーンに向かう人
フィーバーパワフルに向かう人
エキサイトジャックに向かう人
そして、ダイナマイトに向かう人・・・


俺たちは一目散に綱取物語のシマへ。
普段見慣れないやつらが何人も来るのに圧倒されたのか
そこへ向かった人の中には他のシマへ流れて行く人もいた。
そして、俺たちは5人全員が台を確保できた。

あらかじめ聞いておいたように、マルボロで台をキープして
5000円を500円玉に一気に両替して打ち始め。


だが、ハンドル固定する事も知らず、どこを狙って
いいのかもまったくわからない・・・
隣にいたアニキが

「ハンドルには小銭を挟むといいですよ。あと狙うのはこのあたり」

と、どうも不恰好な打ち方をしている俺に見かねたのか
笑いながら教えてくれた。




しばらくするとアニキにスーパーリーチが。
見事、小結絵柄で大当り。
あとは天国モードに移行しているのを祈るばかりだ。


そして3つとなりの常連らしきおじさんにも当たりが。
そのおじさんは、次の当たりが10回転もしないうちに
来ていた。2分の1に当選だ。



他の友達も、そのうち当たりだし、当たっていないのは
俺ともうひとりだけだった。

アニキは2連。あとの友達は単発と3連。
おじさんは・・・なんと5連目の当たりをひいている。

一方俺は、当たらぬまま
いつしか投資額は1万を超えていた。



ちょっと無口になってきた俺に気を使ってか、アニキが

「どうします?今なら他の台もまだ空いてますよ。」

と。

今でこそ1万なんて・・・なのだが
当時の俺は、もう1万もなくなったのか・・・と
半分パニック状態だった。

一応3万は持ってきたのだが、まさかこのあとそれすら・・・




アニキの言うとおり綱取はあきらめ他の台に移動する事にした。
当たってなかったもうひとりの友達もヤメる事に。
(その後撤去されるまで綱取物語は
 何度か打ったが楽しい思い出は一度もなかった・・・)




次に選んだ機種は「フィーバークィーン」
この機種は当時流行りの保留玉連チャン機。
この台はとにかくリーチがアツイ。
最近のCRや他の機種のように、当たりはチャッカー
にはいった時に決まるのではく、この機種は2段階の抽選を
行っている。まずは、リーチの抽選。そしてそのリーチの
抽選に当選した後にシングルリーチで26分の1。
ダブルリーチでその半分の13分の1で大当りをする。
保留玉でリーチがかかれば、特定絵柄を除いては
75%もの大当りの可能性があるのだ。
こんな台が普通のデジパチでゴロゴロしていたのだから
CRの確変なんて必要ない時代だ。


フィーバークィーンは液晶ではなくドラムである。
ぎこちなく回るそのドラムはコマ送りや戻り、ハズレ後に
1周回転しての当たりなど、ドラムならではのアツイ演出に
その後も俺が最も打った機種のひとつとなった。

付き合いのいいアニキは俺の隣で一緒に打ってくれた。
2、3k使ったところで、俺の台にダブルリーチが

「これアツイですよ!」

アニキの声にも、どうしていいかわからず
ただ、ドラムを見つめるだけしかできない・・・


結果は・・・


一旦ハズレた絵柄が再始動して1周まわり大当り!
ありがちなのだが、当たった瞬間俺はハンドルから手を離していた。
「ハンドル持っててください!」
アニキが慌ててそう言うと、俺はわからずそのまま手を添え
全身さえも固まっていた・・・
当然下皿の玉の抜き方などわからない俺は、
いっぱいになってく下皿の玉を左手で少しづづ
ドル箱に入れていく・・・
(パチンコって当たっても大変なんだな)
そう思っていると、缶コーヒーを買いに行ってたアニキ
が戻ってきて

「そのボタン押さなきゃダメですよ!」

と。
(あ・・なんだ、うまくできてるじゃん♪)
大当り終了後、保留玉3個目でリーチにはなったものの
ハズレ。
そのまま1回分の玉を流した。


この店はラッキーナンバー制だったので特定の絵柄で
当たる以外は、継続遊戯はできない。
持ち球遊戯が2.5円の換金率の中では
得な事だと知ったのは、それからずいぶんとあとの話だ。


その後、再度フィーバークィーン、フィーバーパワフル
エキサイトジャックなどいろいろ打ってみた。
俺に1度大当りが来て、アニキも責任感から開放されたのか
他の友達たちも様々な台に移動し始めた。

お昼前になると、アニキとあと2人が
駅前の店にスロットを打ちに行くと言い店を出ていった。




残された俺ともうひとりの友達は、延々デジパチを打っていた。

・・・しかし、当たりが来ない・・・
どこまでやればいいのか、どこでヤメればいいのか
確率もわからない俺は、資金がつきるまで打っていた。





そして、2時間後・・・

まさかなくなるハズは・・・と思っていた3万円は
きれいにサイフから消えていた・・・


気づいた時には、今まで感じた事のない絶望感だけが
残っていた・・・
当時の俺は、1日の中で何か買い物をしたわけでもないのに
3万円がなくなる事は、理解不可能だった・・・


とにかく落ち着きを取り戻すため、
ひとり残った友達に

「一旦帰るわ・・・あとで駅前の店行くから」

と声をかけ自分の部屋に戻った。




部屋でもう一度サイフをあけてみる・・・
当然そこには朝あった3万円はない・・・

今日の朝からの出来事を振り返ってみた・・・




とにかく初めてで、何もわからないままのパチンコだったが
店を出るまでには、なんとなくその機種の当たる
確率やどれだけ出るのか・・・
どのくらいでヤメるものなのか・・・
他の客を見る事で少しだけ把握できていた。
昼過ぎには打ちながらマルボロを吸う事もできた。



3万円をなくした事のショックより、だんだんと
何故勝てないんだ・・・
どうしたら勝てるんだ・・・
そんな事ばかりが、頭をかけめぐる。



1時間ほどそんな事を考えていると、アニキから電話があり
みんなで少し遅い昼食を食べたあとその日は解散した。








夜になり、今日1日を振り返っても
もはや、なくした3万円への感情は、ほぼ消えていた。
とにかく、頭の中は「どうしたら勝てるのか・・・」
その事ばかりだった。


近くのコンビニに買い物に行くと、そこにパチンコ雑誌が
置いてあった。
迷わずそれを買い、その日は夜遅くまで何度も読み返した。
台の種類と、台ごとの確率。
リーチの種類と期待度。
画像付きでわかりやすく、それでいて文章の部分もかなり多い。
元々活字を読むのが好きだった俺は、読むところが
ないくらいすべてに何度も目を通していた。



この日から1ヶ月もしないうちに俺の頭の中には
当時流行っていて、近所の店にある台の確率やリーチ、
出玉など、すべての仕様は誰よりも正確に言えるまでに
なっていたのだ・・・






バイトから帰り、コンビニに行くついでに覗いた
隣のパチ屋。
仕事帰りの人たちが、店の8割を埋める中
1台の空台が目に入った。
3kを両替し、ストローグを調整しハンドルを固定。
マルボロに火をつけて打ち出すと500円でダブルリーチ。

ノーマルリーチのまま当たり。

保留玉2個目に、またもやダブルリーチ・・・
当たり絵柄を過ぎたところで・・・
戻って、当たった。



1ヶ月前の俺はそこにはいなかった。



そこには、無表情にドル箱にはいった玉の真ん中をあけ
次の大当たりの玉をそこに流し込み
きれいに満タンになるまで、入れている俺がいた。






ANOTHER TIME~ファースト・コンタクト~   Fin



2007/05/18 | 23:18
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ANOTHER TIME~限りなき戦い~ 後編

ANOTHER TIME~限りなき戦い~ 後編



初めて中年紳士が、自分の台から視線を外した。
台のガラス越しに見るその視線は、俺の台にむけられていた。
それも道釘周辺に・・・



「お兄さん、その台回らないでしょ?」
紳士は自分の台が勝ち越しにはいった余裕なのか、
あたり前の事を言ってきた。
「はぁ・・・」
一応返事くらいはしないといけないと思った俺は、
気のない返事で返していた。


「もう少し強めに打ってみるといいかもしれませんよ。」
何言ってんだ、このオヤジ・・・
これ以上強く打ったら右に玉が流れるだろうが・・・
天釘狙いで玉を左右にばらして玉のスピード変えるのか?

俺は天釘付近を狙って打ってみた・・・


別になんの変化もない・・・
むしろ、前より回りが悪いんだけど・・・
俺もこの台の釘が悪い事くらいわかってんだよ!
余計な事させやがって・・・


「いえ・・もっと強くです」

はぁ?おいおい、アンタ、パチンコわかってます?
しかし、何故かその言葉に逆らえず俺は
半ばヤケになり完全に右打ちにハンドルを回した。

玉は勢いよく右へ向かい流れていく。



・・・すると・・・



どう言う事なのか・・・
右側の道釘に乗った玉は、そのまま命釘にスムーズに向かい
右側の命釘で一旦軽くジャンプしてチャッカーに吸い込まれる・・・
次の玉も。
そして、次の玉も・・・


やっと気づいた。


右側の寄りや道釘は、ほぼ無調整。
しかも、命釘は左のカムフラージュのためかプラス調整に
なっている。


さっきまでの回転数が嘘のように、一気に優秀台へと
変貌していった。
保留ランプは常に4つが点灯している。


そして、ストローグを変えてから50回も回さないうちに
シングルリーチからコマ送りで大当りした。

そこから、運も変わったようで保留で2連。
ドル箱は足元に2箱。
回りは安定したままだ。

俺は下皿がなくなったところで席を立ち
中年紳士のため缶コーヒーを買いに言った。

缶コーヒーを渡すと
紳士は初めて軽く笑みを見せお礼を言ってきた。
それをきっかけに、打ちながら少し会話はじめる事に
なった。


この店の釘は、最近はほぼ決まった日に決まった調整しか
しないので、いじる箇所も決まってるらしい。
しかも、決まって左側だけで右はずっと以前からいじられた
傾向はないらしい。
この台の右側の命釘がプラスのままだったのを除けば・・・

ただのヒマ潰しで打っていると思っていた
この中年紳士は、ジグマのパチプロだった。
そう言えば、こうして夕方になるまでに、何人かが軽く
あいさつしたり缶コーヒーを持ってきていた。
みんな長居はしない。

中年紳士は、その後ドル箱の数はそれほど伸びず
8箱になったところでヤメた。

帰り際、今度はガラス越しではなく俺にむかって
「たまに打つのはいいけど、毎日打ってちゃダメだよ。笑」

そういい残して去っていった。






閉店10分前の換金所。
10人ほどが並んでいた。
あれから一気に運がよくなりヤメる時にはドル箱は10箱
になっていた。
保留連チャンのヒキもあったが、やはり勝因は
回りだった。保留ランプが3個より消えることなく
回り続ける台は当たるために回ってる感じさえした。


そして、この日パチンコで儲けた金額より
いい台を打てばそれなりに結果は出る、決してパチンコ
は運次第のギャンブルではないと言う事を
俺は、あらためて確信した。







気分よく店を出た俺は、むしょうにギターが弾きたくなり
そそくさと部屋に戻りツェッペリンを流すと
ギターをアンプに繋いだ。
曲に合わせてギターを弾いていると、今まで気づかなかった
感覚が訪れた。
ギターを弾いているからこそわかる、それ以外の楽器の音、
アレンジ・・・
曲を聴いている時には気づかなかった、このグルーブ・・・
偉大なギタリスト、ジミーペイジは偉大はツェッペリンの
アレンジャーでもあった。
そして、そのベース、ドラム、ボーカルを殺すことのない
ギターリフとソロ・・・



レッドツェッペリン・・・
彼らは焼け落ちる飛行船ではない。
いつまでも飛び続ける、無敵の飛行船なのだ。
解散した今でも、彼らの限りなき戦いは続いている。

しかし、俺の限りなき戦いは
この先、音楽ではない事にまだ気づかずにいた・・・






ANOTHER TIME~限りなき戦い~ 後編  Fin



2007/05/14 | 02:47
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ANOTHER TIME~限りなき戦い~ 前編

ANOTHER TIME~限りなき戦い~ 前編



バイトから帰るとコンビニに行くついでに
隣のパチ屋を除くのが日課となりつつあった。
その頃はまだデータロボなどなく、台上のデータ表示も
回転数とその日の大当り表示のみしか見れなかった。
夕方を過ぎると、この店は仕事帰りの人たちで平日でも
9割ほどの稼働となる。
今思えば、かなりの優良店だったのだろう。
そんな店が隣にあったのだ・・・



コンビニ帰りに、レシートの裏に閉店間際のフィーバークィーンの
シマの大当り回数と回転数をメモする。
今日でちょうど2週間分のレシートがたまっていた。







部屋に戻りCDを変える。
レッドツェッペリンⅣ
通称フォーシンボルス・・・
音楽を少しかじった事のあるものは、ある意味この
アルバムは駄作だと言う。あまりにも有名な曲が多いため、
そして、どこかセールスを狙った曲が多く感じれた事も
それまでのツェッペリンフリークに
反感を持たれたところなのかもしれない。
しかし、前作で評論家に悪態をつかれた怒りの復讐アルバム
でもあり、現在でも名盤にあげらるほどのアルバムがこの
レッドッツェツペリンⅣなのだ。

ブラッグドッグにロックンロール。
そして、天国への階段とツェッペリンの代表曲はこの
アルバムから生まれていた。
勿論、俺はツェッペリンはリアルタイムではない。
むしろ最初に耳にした時は、それまで聞いていたバンド
などの激しさも、メロディアスさも感じず、どこか古い
ブルース的な音階を感じていた。
クラシックロックだな・・・そんな風に思いその時は
ジミーペイジの名前さえ知らなかった頃・・・
ツェッペリンが俺の中で最高のバンドになるまでには
まだ時間が必要だった。







2週間分のレシートをテーブルに置くと
ノートに台番号と日付、大当り回数を書いていく。
それとは別にクィーンのシマの簡単な図を書き
その日一番大当り回数が多いものには◎、次は○
その次は△と印をつけていった。





CDの曲は「限りなき戦い」のイントロが流れていた。
変則チューニングのギターがオーバーダブで重なり
幻想的な世界が広がる。
プラントのボーカルもエンディングに近づくまでは
シャウトはなしの丁寧な歌声だ。


THE BATTLE OF EVERMORE






この先誰もが、終わることのない戦いを続ける。
どの戦いに挑むかは自由に選ぶ事ができるが
その戦いから逃れる事はできない。
目的を達成するための戦いではなく、
戦う事だけが、自分の存在を確信できる唯一の手段だから・・・



メモをノートにまとめたものを見返してみる。
するとそこから、なんとなくある法則が見えてきた。
週末以外は角台がよく出てる。逆に平日は真ん中あたり・・・
これが店のクセだった。

しかし、これで勝率が上がると思った俺は、
少し甘かったみたいだったのだが・・・








次の休みの日、朝からクィーンのシマに向かった。
平日なので狙うはシマの真ん中あたりの台・・・
そこには先客が座っていた。
茶のジャケットを着たパチプロとは思えない
容姿の中年の紳士だ。
仕方なく角台で打つ事に。
半日打って、収支はプラス12k
運良く保留連チャンに救われたのが勝因だった。
朝から真ん中台をキープしてた中年の紳士は
まだ打ち続けている。足元には7箱のドル箱が・・・


この日は夜からスタジオでのバンド練習があるため
ここで店を出る事にした。
集合は夜の7時なのだが、それまでに曲を仕上げなくて
はまだ、ギターのラインがアバウトのままだった。


6時を過ぎ、立川に向かう中央線の中
ギターケースを足元におろし、立ったまま
ドア越しに外を眺めていた。
東京と言えども、ここ多摩地区は夜は駅以外は
遠くに街の灯が見えるくらいだ。
豊田、日野と街より高架な線路を走る電車は、見下ろす景色が
いっそう遠くに見える。

俺は、今日のクィーンの事を考えていた。
あきらかに大当りの回数が変わるのは週末と週はじめ・・・
と言う事はあの店は釘を叩くのは、その前日にしかしない。
しかも毎回今のとこ同じ台だ。

2時間のスタジオ練習が終わり、そのあと飲みに誘われた
が明日も休みのため、曲を仕上げると言う理由で
それを断り帰る事にした。
バンドの連中と飲みに行く事は嫌ではない。
むしろ最も楽しい時間だ。
しかし、俺は明日も朝からクィーンを打つ事に決めていた。

バイト以外で早くから起きる事は、そうない事だが
パチンコを打つようになってからは、朝の空気を吸う事が
できるようになったみたいだ。





開店前、20人ほどの列の中に俺はいる。
狙うは昨日と同じくクィーンの真ん中の台。
開店と同時にクィーンのシマへ・・・



そこには、昨日のあの中年紳士がいた




なんなんだ、このオヤジ・・・
たまたま今日も時間があり、昨日出たので同じ台を打つのか?


気合いを入れた分、ここで帰るわけにはいかない。
それなら、今日はこのオヤジがヤメるまで隣で打ってやろう。
そう思い中年紳士の右隣で打つ事にした。


すぐにマルボロに火をつけ打ち出す。
予想はしていたが回りが悪い・・・
左の道釘の間に玉が一旦ひっかかるみたいだ。
命釘も左側が若干下がっている・・・
でも、このオヤジがヤメるまでだ。
こいつもまだ当たりが来てないし、投資ももうすぐ1万ほど
になっている。もう少しのガマンだろ・・・

回転数が500に届きそうになった時、中年紳士の
台にダブルリーチが・・・
そして、あっさりノーマルリーチで当たった・・・
(ちっ!ラッキーだな・・・)
そして、保留で連チャン。
その後、100回転未満で当たり。
そこから2連チャン。
一瞬でドル箱は足元に4箱。
中年紳士は、あたり前だと言う余裕なのか、表情も変えず
そのまま打ち続けていた。


俺は、それでも釘の悪い台で投資が続くばかり・・・
ムラもあり回らない時は500円で5回転ほどの時も・・・

イライラしながら、タバコの本数ばかりが増える・・・

そんな苛立ちが中年紳士にも伝わったのか、はじめて
台のガラスに写る紳士の目が俺の台にむけられた。

そして・・・

「お兄さん・・・」

中年紳士が話しかけてきた。







ANOTHER TIME~限りなき戦い~ 前編   Fin




2007/05/13 | 02:18
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